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時々、どっちでもいい様な、でも、面白いことを考える時があります。

弁護士って、潔癖な性格じゃ出来ない職業だろうなぁ〜と、思うことがあります。
そういうことを考えるのは、別に私だけじゃなく、ちょっと考えれば誰でも同感するレベルの事でしょう・・・。

これから将来ある若者が、人違いから間違って、暴走族どもに暴行されて殺された事件の裁判の様子が報道されました。
反省を知らない馬鹿野郎どもを、六法全書がほぼ埋め込まれている頭脳で庇って、審判の終了後に、被害者遺族の目の前で、舌を出して平然としている被疑者と、笑顔で「がんばろうね!」と、手を取り合ってるんだから。
正常な心で出来る様な職業じゃないでしょう・・・。潔癖な人間にはとても出来る商売じゃないな、という感想です。
ある意味で、自分を捨て去り、私情を消し去り、邪悪にもなることを自らの意思で操縦する事が出来る人種です。それで、当然裕福な報酬を手に入れてるんです。
であるから、面白いんです。
悪い事をした奴、犯罪を犯した奴、不届きな奴を、ある種、懸命になって庇うミョ―――な人たち。
しかし、そう考えると、不思議な点を一つ見つけました。
検事から弁護士になる人が、当然居るわけです。
検事こそ、潔癖、賢明、純潔を背中にしょっている証明みたいな人達です。
それが、行く行くは弁護士になる人も多く、倫理観や生命の価値観をも少々自在にコントロールしちゃうんだから。へ〜んなのっ!?

およそ、自我や人格の確立は、三十歳を手前にしたくらいで、ほぼ根本的には完成されるでしょう。これは、私の持論でもあります。
が、職業を変えることで、人格、性質を、素直な心情とは必ずしも一致しなくても、意図的に操る事が出来るという事。それを、中年期以降になってから、出来るんですから、不思議なもんだなぁ〜と、思っております。

そんな不思議な種類の人に、自らの子供の死を踏みにじられてるかの様な屈辱。
それにしても、おかしいですねぇ・・・。
TV画面を通して視ているだけの私達でさえ、その悲しみが伝わって来るのに、その場に居る被疑当事者や弁護士からは、なぜ人の痛みが感じ取れないんだろうと、こちらから視ていていっつも思います。
感情移入している私達が偽善者なの?
そんなことはありません。
あくまでも、他人事。だから、半分しか理解し得ないでしょう。
でも、感情移入出来るって事は、やさしいということ。
でも、人の痛みが分からないアイツらは、多分人間じゃないんでしょ。

「おいっ!言い過ぎだぞっ!?」だって?

そうか。だったら、まともな人間として認めてやるから、自我が芽生え始める三歳くらいからやり直して来いっっ!!

そうだ!先日、こんな光景がありましたね。
今までは、何が行われてるんだろう? という印象くらいしか皆さんの頭には無かったんじゃないかと思われる、日本の行方を議論する場所でのことです。
外交職務の親分になった人に対して、「もはや、これは虚言癖、精神分析の対象である・・・」という事を、TVを通 して堂々と言ってる人が居りましたが。
ハテ?「 何を言ってんの?」って感想なのですが・・・。
あなたは心理学者? 精神科医? 精神分析のプロなのでしょうか?
そもそも、プロの精神科医でも、患者や様々な人の精神状態を診誤ることが時にはあるのに、プロでもないただの元外交機関公務員が、どうしてそう易々と断言出来るのでしょうか?
これただの侮辱でしょう? 要するに。断言してるのですから。面白いですねぇ〜??
何を根拠に言ってるんだか。

みなさ――ん?安心して下さいっ!
これが、天下の! 天下の!? 東大卒の超エリートの代名詞である“外交部”元職員ですよ――っ。
超エリートって言っても、分別、感性、感覚と、ある部分での明晰さは、私達あなた達と大差無いんですよ――。
ほ〜んとに左脳ばっかり鍛えまくってるから、こういう細胞の完成品が出来上がっちゃうのかしら? それは誤解でしょうか?
130年の歴史だか中国二千年の歴史だか知りませんが、人様の税金を喰いものにして、ある意味ろくな事して来なかった暴君集団なのですから。

130年の歴史? 知らねえよ、そんなの。
だって、その歴史の中身なんか見えて来なかったんだから。
「それはあなたの勉強不足!?」ですって?
「フッ、違うよ。だいいち、国民、一市民の方を向いて外政なんかやってなかったんだから。」
この思い上がり、思い過ごし、思い違い、驕り高ぶり、自信過剰、自意識過剰、歪んだ強情、異常な気丈・・・
日本と言う商店の女将さん? この、人としての問題がどうにかなりませんか?

冷蔵庫の中で、3〜4日賞味期限が過ぎた野菜や果物が、取り敢えずまだ異臭を放たず、冷たい空気の中でグシュグシュと呼吸をしている様な感じしか、無かったでしょう?
長老達が、ちょっと不機嫌そうに、片方の顔を斜め上に吊り上げ気味にムスッとした表情で、ケツの穴の小さいセコイなじり合いをしているだけの様なイメージばかりでしたよ?
国の行方を論議しあう場所と言うのは、「熱い」場所であっていいのに、大勢の人が集結している様な体温を感じなかったでしょ?
今まで・・・。

政治と言うのは、なにも、国の中枢部にだけあるものではなく、学校の学級会や、会社の組織もそのミニチュア版です。
いじめや自殺、家族の問題が、季節を問わない台風の様ですが。
「皆で仲良く力を合わせて、助け合って頑張って行こう!」なんて言ったって、無理に決まってんじゃん。
大の大人達が、苦しんで追い詰められて、やっと新しく出発した日本を動かす為の車を動かそうとしないで、妨害するかの如く、こ突いたり、両腕を前に突き出して、前進しようとするのを止めようとしているかの如く・・・・・。
おかしな、不可思議な、不可解な様子。
大人社会がそうなんですから、それで、子供達、若者の社会が巧くやれるわけが無い。

こうなったら、私達が縋れる最後の砦は、よろしからぬものを最終権限を持って成敗する、正義の味方に頼もうぞ!!

って、ちょっと待てよ、?
った〜くぅ・・・、真面目そうな顔をして、ただの変態オヤジかいな?

私は子供の頃、眼鏡をかけている人が、みんな頭のいい人・・・って、思い込んでいましたよ。
成績が良くなれば、ああいう偉そうな? 立派そうな? 眼鏡をかけられるんだと、思ったこともありますよ。その眼鏡はどこで売ってるんだろう、とか。

同じ様な感情を、以前、山口県光市の、母子レイプ殺人事件で持ちました。

人を裁く法の管理人が、正義を貫く最後の砦は、絶対に城壁を守り貫いて崩れない。
真実を見続けて、信頼と望みを委ねられる頼みの綱だ・・・と、誰もが信じていたんじゃないでしょうか。
って・・・?
誰が決めたんだ??そんなこと。
裁判官だって、私達と同じ人間ですよ?
生身の人間には、完全無欠の完璧なものなんて、あり得ませんよ?
裁判官と言う、まるで別次元の人の様な、住む世界の違う完璧な人・・・を思わせる、今までの観念、概念、あまりに定着した思い込みが、絶対的な信頼を置くほどの大前提を造り上げて来たのでしょう。

巷では、普通の市民生活とはかけ離れている。普通の社会生活経験が無い。などと、もっぱら言われているのがこの人たち。
別に、そこまで市民感覚に乏しい事は無いだろう・・・、とは思うのだけれど。
でも、まんざら違ってはいないでしょう。
一市民である私の友人のコンピューター・プログラマーでさえ、殺人的なスケジュールで、倒れるのを待つばかり・・・の様な生活。
比較がおかしいかもしれませんが、司法裁定の番人は、同様か、それ以上にハードじゃないの?
普段関わりなんか無くっても、目が廻る様な多忙な生活の、容易な想像が走ります。

しかし、だとしたら、ここが問題です。

司法の現場で争われる事案は、全て普通の社会生活の中で起こる出来事です。
ケガをした人の傷の痛みを、同じ地面に視線を置かない人間が、なぜ、解かるというのでしょうか?
結局自分は当事者じゃないから、本当の理解は出来ません。思いの半分は想像です。そんな考え方も、当然成り立つでしょう。
だったら、自分の妻、子供、孫、兄弟が殺されなければ、真の理解は望めません。
自分の家族が無惨な目に遭わなきゃ、本当の理解は望めないんです。
それじゃぁ、最初から過剰な期待を持たなければいいんですね。

「助けて!」と、警察に駆け込んだら、ろくに耳も貸してくれず、おちょくる様な口調で冷やかされてみたり。
必死で捜査をしてくれるのかと思ったら、大して親身にもなってくれず、やっと重い腰をあげ、いつになったら解決するのかと期待してたら、「打ち切ります」だって。
納得いかないから自分達で調べ上げたら、捜査のやり直しだって・・・???「 なんだそりゃ」
すみません、誤解だったら謝りますが、一部の警察さんっ、「仕事したくないんじゃないの?」「面 倒くさいんじゃないの?」
「一部」と書きましたが、世間の人たちは、不誠実なのが一部だとは思っていませんよ?
いい加減が多過ぎると思ってるはずですよ?
“一部”というのは“すべて”の象徴ですから。
どこか一ヶ所の強烈な欠点というのは全てである・・・と、ある意味で言えます。
何年かかって精根尽き果て、やっと終わったと思ったら、お世話になったお巡りさん、ストーカーで捕まっちゃったよ☆☆☆!

不用意に病院に行けば、運悪く殺される。
警察に行けば、援助交際の犯人だった巡査部長。
犯罪に巻き込まれて裁判を経験する立場に立たされれば、生殺し。

一体どうなってんだ?

しょうがないよ。みんな疲れてるんだから。ストレスが溜まっちゃって、携帯使って女の子にエッチなことでもしてみたいな! なんて思っちゃったんでしょ。
右手で助けを求めても、つかまるところが見つからず、左手を差し伸べてみても藁にも縋れず。それじゃぁ残された道は、逃げるしかありません。

仮面を被った正義の味方。
黒いスーツの正義の味方。
判決を下す正義の味方。・・・・・ん?

誰が決めたんだ?? 正義の味方なんて。

よ―――し、こうなったら最後の手段だ。私もあなたもこの国も、一から始める荒療治だ。とっておきの奥の手だ。もうこれしかない!

みんなあっ、戦争するぞ!

戦争して、戦って、ボロクソにやられるんだあっ。経済文化先進第2位の日本が戦えば勝てるかも。な〜んて、勝てるわけねえだろっ!
素晴らしい技術を生かす、英知と理性が行方不明だよ。宝の持ち腐れかいっ!?
すべてを失くして最初っから始めるのさ。それで駄目ならもう終わりさ。
こんなクソみたいな国、もうどうでもいいじゃん。見損なったよ!
     
フハハハハハハハハ―――――ッ

諦 め ろ ―― っ 、み ん な ―― っ !
諦 め る ん だ ―― っ 、み ん な ――っ !!
諦 め た ま え ―― っっ 、み ん な ――っっ !!!

こ の 国 に は 正 義 な ん か 無 い ん だ ― っ 。
こ の 国 に は 正 義 な ん て 無 い の さ ―― っ 。
こ の 国 に は も う 未 来 な ん て 無 い の さ ――― っ 。

諦めろ―――っっ!!!!

Copyright(c): Yutaka Araki 著作:新木 結太佳

◆「正義なんか無い」の感想

*新木結太佳さんの作品集が 文華別館 に収録されています。《文華堂店主》


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