先日、四月中旬、千葉県袖ヶ浦市で、三歳の幼児が一家四人から虐待死させられる事件がありました。
この様な虐待が頻繁に起こっていれば、決して自分からも遠い話じゃないだろうとは思っていましたが、私の住んでいるところのすぐ近くで起こった出来事なだけに、一層驚いたのですが・・・。
再婚した父親の連れ子だと、メディアの報道で聞きました。
新しく仲間入りした家族の中の均衡を乱す様なことをしてしまったという事ですが・・・。
しかし、実の父親までが、自分の立場を守りたい為に自らの子供を虐待して殺してしまうんじゃ、もう世も末ですね。
そもそも、三年しか生きてないんだから、三年間分のけじめしか持てませんよ。自分の親や祖父母と同じレベルの秩序を求める方が無理ですよ。人の道に反した事をしたら叱らなきゃいけませんが。
水槽の中の金魚じゃないんだから、事情があるにしても、こっちのケースからそっちのケースにホイッと移されて、「ハイ、慣れろ」と言われて上手い具合に慣れるかと言ったって、それはなかなか無理ってもんでしょ? 拒絶反応を起こす子だって居ますよ。
この事件を知って、私が思い浮かべたのは、学校でのいじめです。
新しく二人の転入生が入って来て、一人はだんだん馴染んでいったものの、もう一人はやがていじめの標的になっていく。そして、新人一人も加わって、そのうちに虐待されて命を落としてしまう。
この場合、家庭が学校という小組織で、家族が悪ガキいじめ集団だった。でも、これでは死んでしまった子の逃げ道は、無いですね・・・。
しかも、いざという時に、一番守ってやらなきゃならないはずの実の父親までが、虐待に参加してるんですから。同じ遺伝子を分けた血の繋がった人間なのでしょうか・・・。
この様な家族のありさまを、ひとごとながらも間接的に見ていると、なにか凄く滑稽に見えますよね。
攻撃的に生きたい・・・とはいつも思っている私ですが、しかし、連日の様にこんな姿を見ていると、子供を持たないほうが楽だし安全だなぁ・・・と、ちょっとマイナス思考になってしまった私です。
社会構造の基本単位である家庭が、いま、もうボロボロです。
Copyright(c): Yutaka Araki 著作:新木 結太佳
◆「水槽の中の金魚」の感想
*新木結太佳さんの作品集が 文華別館
に収録されています。《文華堂店主》
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