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希望に胸を高鳴らせ、地方から都会へ来た人たち。
また、京の町の一角には、咲き競うピンクの花びらの様に、熱気が集結したある大学の入学式がありました。
それらは、出会いを待っていた運命を象徴する風景であるでしょう。また、それはすべて、闘いの場でもあります。
しかし、春は、別れのころでもある様です。

先日、3月23日、4年10ヶ月生きた我が家のセキセイインコがその命を終えました。
緑色の体をしたグリ―ン君は、我が家で生まれて育った小さな体の命です。小鳥を飼って、初めて孵化したうちの家族でした。それだけに、とても感慨深いものがあります。
セキセイの場合、もうそろそろ終わりかな・・・?という兆候が分かるので、ある種の覚悟をする余裕は持てるのですけど。
そのグリーン君は番いの乙女ちゃんと共に、三匹の子供を残せたので、親になれた・・・という満足は出来たのかな・・・。
でも、セキセイは、雛を巣箱から離して手乗りにするべく餌を与えて、一緒に飛べる様になると、お互いに親子・・だなんて、分からなくなっちゃいます。
だから、父親としての実感・・・なんて、あったんですかね・・・。

死体をティッシュペーパーにくるんで傍らに置き、一晩一緒に寝ました。別れ難くもあり、普段あまり構ってやれる動物でもなく、埋めてしまえばもう姿を見ることが出来ない・・・。
でも、大切さを再認識するのが、死んでからじゃ、遅いんですよね。相手はもういないんだから。
次の朝、玄関先の花壇に眠りました。幸運を呼んでくれそうな、花達のエネルギーになってくれそうな、命を終えてなお、存在感は生きてる様な・・・

Copyright(c): Yutaka Araki 著作:新木 結太佳

◆「別れの季節?」の感想

*新木結太佳さんの作品集が 文華別館 に収録されています。《文華堂店主》


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