「今日は洋室の『銀河』にしようか、それとも和室の『はやぶさ』にしておこうか」。口の中でこんなことをつぶやいてみると、なんだか贅沢な気分になってくる。鉄道ファンであれば、JRの寝台特急の名前であることがわかるだろう。しかし、同じ個室は個室でも、この写真の個室はトイレなのである。
発見した場所は横浜駅の改札の中。トイレの一区画が個室用になっていて、その入口の上部左右に、洋式と和式の個室の名前が掲示されている。その
4つづつある名前の下には、使用中かどうかの表示ランプまで備えている。
思わずデジカメを取り出してパシャパシャとシャッターを切ってしまったが、このトイレに馴染んでいる横浜駅の乗降客にとっては、わたしの方が摩訶不思議な存在に見えたことだろう。
別にもよおしたわけではないのだが、銀河の中に入ってしばし力んでみる。銀河の中で「やってきた」なんて、 ちょっとした自慢になる……わけないか。