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2006年7月15日完成

< 33作品を収録 >

 ネット作家として多彩な活動をされていた中里奈央さんが、2003年10月17日に急逝されました。中里さんは「文華」にも7作品を寄稿していただいています。その中里さんがネット上で発表された作品を集めて「中里奈央作品集」を編纂できないだろうか。小説を書く仲間として、またネット文芸の同志として、その思いを強く持ちました。今回、中里さんのご遺族の許可を得て、ようやく形にすることができました。許可していただいた中里さんのご遺族、また快く転載を了承していただいた文芸サイトのみなさま、本当にありがとうございました。
 しかし、作品集はこれで完成ではありません。タイトルバックのイラストをつけていない作品がまだ多数、残っています。これから毎号、「文華」の表紙で中里作品をひとつずつ取り上げて、タイトル画像を作成するつもりです。すべてのタイトルが完成したとき、この作品集も完成します。そのときは、寂しい思いをするかもしれません……。
 主要な中里作品は掲載したつもりですが、遺漏があったときはご容赦ください。ご連絡していただければ、すぐに対応させていただきます。この作品集が充実するために、ご協力をよろしくお願いします。
 また、「文華感想掲示板」に、中里作品専用のスレッドを用意しました。中里作品の感想を書いていただけると幸いです。中里さんの思い出も歓迎します。中里さんに対するみなさんの想いも、作品とともに、大切に保管させていただきます。(2004年2月1日)

中里奈央作品集感想スレッド

「中里奈央さんの思い出」赤川 仁洋|


 

《「文華」掲載作品 》

「深紅の闇に沈む」 (掌編ホラー 18枚・2003.2月)
・見せ物小屋で体験した“人体消失”の大魔術の結末は?
*トライアングル掌編文学賞応募作品

「邦実」 (掌編小説 8枚・2003.4月号)
・教え子の美少年を、わたしはいつしか、異性として意識している……。

「大人になる日」 (掌編小説 4枚・2003.4月号)
・ちっぽけな王国に引きこもった“独裁者”の哀しい末路。

「電話が鳴る」(掌編ホラー 5枚・2003.5月号)
・今日もまた、愛しい人から電話がかかってくる……。

「由佑子」(掌編小説 14枚・2003.6月号)
・息子の担任の家庭訪問に、母親の心は揺らめいて……。

「影」(掌編ホラー 13枚・2003.7月号)
・暗闇から姿を見せようとしない「黒猫」のマスターの正体は?

「影の色」(短編ホラー 34枚・2003.8月号)
・心を閉ざした幼い“姉妹”の恐るべき相談事とは?


「かきっと!」掲載作品 》

「秘密」(掌編小説 12枚)
・醜い容姿のために逼塞していた少年が、はじめて人前に現れた……。

「ネコババア」(掌編小説 14枚)
・ネコをおんぶした老婆に親しく話しかけられた私は思わず……。

「眩暈」(掌編小説 12枚)
・美しい少年の色香に惑わされた中年の家庭教師の白日夢──。

「パパ、好きよ」(掌編ホラー 13枚)
・パパが大好きなマコは、ママの下着で着飾って……。

「この夜の果て」(掌編小説 18枚)
・母親に愛してもらうために、わたしは彼女と同じ姿で街角に立つ──。

*第23回ネット名作館掲載(「文華」2004.1月&2月合併号)


「短編」掲載作品 》

「ナオミ」(掌編ホラー 999字)
・夕暮れの雨の中、傘もささずにバス停に立っている少女の正体は?

「腐ったご飯」(掌編小説 996字)
・洋子は、腐ったご飯か腐りかけのご飯以外、食べたことがなかった……。

「沈黙」(掌編ホラー 1000字)
・大型スーパーの喧噪に、人込みの嫌いな私は気絶しそうになって……。

「ウサギのような君へ」(掌編ホラー 1000字)
・あの日の君は、雪ウサギのように真っ白なコートを着ていた……。


「あるテーマにまつわる短編集」掲載作品 》

「夏の恋人」(掌編SF 7枚)
・私が目覚めるたびに、恋人は醜く老いて行く……。

「小鳥ちゃん」(掌編ファンタジー 3枚
・夢の中に出てきた魅力的な女性……、私、彼女をよく知ってるの。


「ゴザンス」掲載作品 》

「ボタン」(掌編小説 2枚)
・夫の背広のボタンを拾った場所は……。

「二つの日記」(掌編小説 2枚
・品行方正な優等生の書く日記の正体は?


「QBOOKS」掲載作品 》

「妻の生霊」(掌編ホラー 1000字程度)
・あなたが帰ってこない夜は魂が抜けだして……、妻の恐るべき告白。


「Short Story FIGHT CLUB」掲載作品 》

「不死身」(掌編ホラー 5枚)
・山姥のようなひどい姿で、ようやく自分の町にたどりついたが……。


「Enter-magazine!」掲載作品 》

「中里奈央の恋愛ファイル」(恋愛エッセイ 36枚)
・男女の心のズレを具体例を挙げて考察、ユニークな恋愛指南書です。


「カメママの部屋」掲載作品 》

「晩夏」(短編小説 30枚)
・無言電話に悩まされている妹への複雑な思い……。

「合鍵」(短編小説 46枚)
・わたしの手の中にあるのは、妹の恋人の部屋の合鍵──。

「いつかきっと」(童話 16枚)
・家を焼かれて孤児になった鬼の子が、やさしい老夫婦の孫になって……。

「オニタのままで」(童話 8枚)
・人間の学校で仲間はずれにされた鬼の子の勇気ある決意!

「クリスマスプレゼント」(掌編ホラー 10枚)
・昔の恋人へのとっておきのプレゼントとは?

「断章」(掌編小説 8枚)
・二人の“記念日”に、裕也は指輪をプレゼントしようとしたが……。

「紫衣」(掌編ホラー 7枚)
・紫の衣に身を包んだわたしは、男たちを救うために鞭をふるう……。

「『城』の感想文」(7枚)
・「文庫による読書感想文コンクール」入選作

「ショートストーリー3題」(6枚)

「5分前」(掌編小説 3枚)
・オヤジ狩りにあった男は、とても急いでいた……。


*枚数は400字詰原稿用紙換算

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