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「五百円玉の謎」(2003.6月号)
日時: 2003/06/15 17:31
名前: 亜木 冬彦   <touzin@sannet.ne.jp>
参照: http://www.page.sannet.ne.jp/touzin/

トライアングルの選考をしているときに、自分でも無性に掌編が書きたくなって、衝動的に書き上げた作品です。
「こいのエサ百円」の勘違いは、新聞の投書欄に笑い話として載っていたものです。子供ではなく、お婆さんが間違えたようですが……。

遠慮なく切っていただいてかまいません。とくに、トライアングルの応募者の方からの書き込みを歓迎します。今度は採点する側に立って、選考委員の作品を批評してみてください。

よろしくお願いします。
メンテ

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Re: 「五百円玉の謎」(2003.6月号) ( No.1 )
日時: 2003/06/17 12:39
名前: 桂木 やよい

 亜木冬彦さま。
 桂木 やよいと申します。
 こちらでは初めての書き込みになります。御作「謎の五百円玉」を拝読させていただきました。プロの方の御作に感想をつけさせていただくなんて恐れ多いと思いながらも、トライアングルにエントリーしている者の感想もよいということですので、厚かましく書き込みさせていただきます。舌ったらずで拙い感想となりますが、そこのところはご容赦くださいませ。

 ネットが普及している現在、こういった仕事もあるのではないかと思わせる設定で、読み手をすんなりと作品世界へと誘なうことができる秀作だと思いました。パスワードつきのチャットルームに呼び寄せて相談にのるという発想、とてもユニークでした。また、将棋という小道具を前半にさりげなく出しておいて、この作品のストーリーの中核となす、謎解きに結びつけるところ、さすがだなぁと感じ入りました。

>百円玉が将棋の駒のようにくるりと裏返って、五百円玉に変わった。

 真希は、なぜ、男の子が五百円玉をくすねるのか、閃いたわけです。何気ない一文がこれほどまでに活かされているとは驚きです。

 家族関係についてですが、これも現代の家族、家庭というものを象徴しているかなと思いました。父親と自分を捨てていった母親に対して、娘の真希はあっさりしてる。母親は「梨沙ちゃんでーす」と電話で言いますよね。親子というよりは友だちに近い感じで互いに接しているのも現代的です。こういう家族は確実に増えているものと思われます。
 もちろん真希の母親に対する思いの中には憎しみもあるでしょう。ラストの一文でそれとわかります。

>アルコールやニコチンで 虐 (しいた)げられている妹に向かって、真希はもう一度、小さくグラスを掲げた。

 けれども、そのドロドロとした感情を出さない。大人なんですね。むしろ、真希の方が一枚も二枚も上手で母親のようです(笑)早くに母親から捨てられた娘というものは、大人になるのも早いのかもしれません。ある意味、痛ましいなとも思いましたが……。ただ、真希が小学六年だという設定にはちょっと無理があるのではないかとも思いました。今どきの子はませていて、大人顔負けですが、相談事を持ちかけてきた主婦とあれだけの会話ができるかなぁと疑問に思った次第でして。中学生くらいでしたら可能かと思うのですが……。
 もう一つラスト近くで(わたしが選んだんだ)と真希の内なる声が聞こえてくるのですが、何を選んだのか、ちょっとわかりづらかったんです。これはラストの、アルコールやニコチンで虐げられている妹(お腹にいる子)にかかってきて、意図して、父親とビール(アルコール)で乾杯することを「選んだ」のか。読みが浅いのかもしれません。どなたか、わかる方がいらしたら教えていただくと嬉しいのですが……。

 肝心な五百円玉の謎解きについては素晴らしいの一言。庭の池に五百円玉がたくさん浮かんでいる様子が、ありありと浮かんできます。百円玉が鯉のエサと勘違いしたというのは本当にあったことなんですね。お年寄りだったということですが、子どももこういった勘違いをいかにもしそうです。

 中途半端な感想になってしまいました。生意気ながら大変楽しく、そして少しばかり切ないような気持ちで読ませていただきました。
 大変、勉強になりました
メンテ
Re: 「五百円玉の謎」(2003.6月号) ( No.2 )
日時: 2003/06/17 15:47
名前: 鈴雪

大変楽しく読ませていただきました。
殺人や事件ではなく、こういう日常的な出来事の謎解きもまた面白いですね。
そして27歳の専業主婦の相談相手が、小六の女の子であったというのも驚きのどんでん返し。
まあ、ネットの世界ではあり得ることでしょうが、その小六の女の子という設定が物語を魅力あるものにしていると思います。

>わたしが選んだんだ
のくだりは――私は最初読んだとき単純に、真希が母親を選ばず父親の方を選んだという境遇のことだと思っていましたが、再読すると次のシリーズへの伏線かも知れませんね。
娘は母に対抗してお父さんのお嫁さんになりたいと思っている――とか(笑)
メンテ
桂木 やよいさま ( No.3 )
日時: 2003/06/17 23:56
名前: 赤川仁洋  <touzin@sannet.ne.jp>
参照: http://www.page.sannet.ne.jp

早々の感想、ありがとうございます。
過分な評価をしていただいて、根が単純なものですから、第2回も書こうと思っています

>百円玉が鯉のエサと勘違いしたというのは本当にあったことなんですね。

公園の看板を見て、「ここの鯉は百円玉を食べるのか」と言ったような内容が書かれていました。本当にあったのかどうか、ちょっと怪しいですけどね。

>何を選んだのか、ちょっとわかりづらかったんです。

これは、もっと書き込む予定だったのですが、削った方がいいと判断しました。
ママとの会話で「あいつ、顔は悪いけど、気持の方はいくらかマシだもんね。まあ、あたしが選んだ男だから」というセリフへの反発なんです。
真希には今までに、何人もの父親がいたわけです。その中で、彼女は英慈を選んだ……。

なんだか、こうして説明している自分が情けなくなってきましたが……。

真希の年齢の設定は、このシリーズが成功するかどうかの鍵でしょうね。
今後の展開で、やはり小学生では無理がある、と読者に思われるようなら、失敗作だと思います。

最初の感想、本当にありがとうございました。
メンテ
鈴雪さま ( No.4 )
日時: 2003/06/18 00:10
名前: 赤川仁洋  <touzin@sannet.ne.jp>
参照: http://www.page.sannet.ne.jp

感想、ありがとうございます。
なんだか、励ましていただいているようですね。

>娘は母に対抗してお父さんのお嫁さんになりたいと思っている――とか(笑)

さすがに鋭い
まあ、そんなことを平気で考えてしまうような少女だと、わたしは思っているのですが……。

「文華」6月号のわたしの感想は、もう少し様子をみさせていただいて、スレッドの立っていない作品については、「全体の感想」に書かせていただくつもりです。

よろしくお願いします。
メンテ

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