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全体の感想(2003.12月号)
日時: 2003/12/14 23:17
名前: 赤川仁洋   <touzin@sannet.ne.jp>
参照: http://www.page.sannet.ne.jp/touzin/

今月号の全体の感想や、個別のスレッドが立っていない作品の感想は、ここでお願いします。作者や作品を侮辱するような発言は、ご遠慮ください。
よろしくお願いします。
メンテ

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Re: 全体の感想(2003.12月号) ( No.4 )
日時: 2003/12/24 00:11
名前: para

pps 様

丁寧な感想と鋭いご指摘、どうもありがとうございました。「文華」に掲載していただいたのは
今回で2回目ですが、この作品が
創作第一作目です。
これは病室の女の子とマンゴーの夢を見て、
そこから「お話にしてみよう!」と思い立った
ものです。

あまり稚拙で誰にも読んでもらえないかも、と
心配していたのでppsさんの投稿、
すごくうれしかったです。

>この作品の文章は説明的、というよりは説明の文章に映りました。

おっしゃる通り、今読み返すと地の文が
説明調で読みづらく、主人公の状況
や心境が伝わってないかも・・・・、と
反省しています。初めて創作に挑戦して
みたものの、自分では他の人がどう読み、
何が足りないのか、なかなか気づくことが
できず、ppsさんの指摘に
「なるほど、そうだったのか」と
目が覚める思いです。

>主人公はグループのなかでふらふらしているだけで個性のない煮え切らない人物像でした。

主人公は親や教師には反発しても 周りの友達
から浮くことを恐れ、みんなと同じモノを求める
イマドキの中学生を意識しました。視野が狭く、
自分中心で、まだ主張できる自我も個性もないけど
人に合わせるだけの自分も何か違う、と
イライラしている女の子が 小さなきっかけで
自分や他人を見つめなおす、というストーリーに
もっていきたかったのですが、筆力不足だった
みたいです。うーん、そういう感じを出すには
どうしたらいいのでしょう??もっとエピソード
等を入れるべきでしょうか?

前回掲載していただいた「時間屋」も
そうですが、私はどうも文章を書く時
独りよがりになりがちで客観的な視点が
欠けているようなので、他にも何か気づかれた
方がいらっしゃいましたらアドバイス等
お願いいたします。

今月号の皆様の投稿を読ませていただいて
感じたのは、みなさんしっかり自分の
文のスタイルや書きたいことが定まっていて
かつ「書く」ということを楽しんでいるんだ
ろうなぁ、ということです。私はこれまで
「読む」楽しみしか知らない人間だったので
これから皆さんにいろいろ教えていただき、
「楽しんで、でも独りよがりにならず」に
文を書けるようになりたいです。


簡単に掌編の感想も書きたいと思います。
『snow drop』
なんだか友達の家で秘密の手紙を偶然見つけて
しまったような気分で どきどきしながら
読みました。いやぁ、なんかわかるなー、
こういう関係の友達(?)って周りにけっこう
いそうだなぁ、と甘く、切ない気持ちにさせられました。

『一緒に歩いた道』
離婚した夫婦と思いきや、なるほどそうだったのか、と最後でちょっとびっくりしました。
離れても娘を想うお父さんの温かさが伝わって
きましたが、ユーレイでもおんぶやだっこって
できるのかなぁ、だとしたら周りの人の目には
いったいどう写っているのかなぁ、と少しフシギ
でした。

『夜道』
フシギといえばこのお話こそ「・・・えっ??」
と胸がざわつくようなフシギな作品でした。
後ろを歩いていたもう一人の自分とはいったい
誰なんだろう、自分をしっかり持っていないと
影にのっとられちゃうよ、ってことなのかな。
主人公がどんな人物なのか、もう少し詳し書かれていたらもっと話がふくらむような気もしましたが
いろいろ想像させられ、おもしろかったです。

短編の方はまた後日書かせていただきます。
メンテ
Re: 全体の感想(2003.12月号) ( No.5 )
日時: 2003/12/24 05:25
名前: pps  <pps@jcom.home.ne.jp>

paraさんはパラグアイ在住だったんですね。
読む前は知りませんでした……。

>うーん、そういう感じを出すには
どうしたらいいのでしょう??もっとエピソード
等を入れるべきでしょうか?

 私が思うに、自己表現をすることより小説を書くことに対していっぱいいっぱいになってしまったんじゃないかと……。しかしこれが第一作目なら十分に及第点だと思います。

 これは大いに個人的な意見なのですが、作品を書くときは物語を書くのだということに拘らずに自分の書きたいこと・表現したいことを第一としていただきたいです。どんなに物語が、筋書きが、プロットが完成された作品でも、強烈な個性、シーン、何らかのインパクトがないとちっとも面白くない佳作にしかなりません。paraさんの今作の場合、パラグアイやアップルマンゴー、テレレといった魅力的な題材が存在するのに、それらがあまり活かされずに全体的に台本のなかに埋もれてしまっているような感じがするのが残念なのです。たとえば「いつのまにかパラグアイを好きになっていたように……。」という一文がありますが、主人公はどのような過程を経て、どのくらいパラグアイが好きになったんでしょうか。私は主人公がどんな風にどんなくらいパラグアイが好きなのかに興味があります。これを読者にパラグアイの日差しが伝わってくるくらい活き活きと書き込めればラストシーンも活きてくるように思います。
メンテ
paraさんへ ( No.6 )
日時: 2003/12/24 09:33
名前: かば  <kaba@jsdi.or.jp>
参照: http://www.jsdi.or.jp/~kaba/

paraさん、こんにちは。

「一緒に歩いた道」の感想ありがとうございます。
 幽霊と言うと、「実体がない、触れない」という印象がありますが、
この作品では生きている人間と同じように「実体があって、触れる」幽霊として制作してみました。
生きている人間との違いは「出現できる場所、時間が決まっている」ぐらいに
思っていただければと思います。

 最後に、paraさんの「アップルマンゴー」はまだ読んでいないのですが、
楽しみに読ませていただきます。
メンテ
Re: 全体の感想(2003.12月号) ( No.7 )
日時: 2003/12/25 08:12
名前: サガミキナコ  <gatonegro@pinky.ne.jp>
参照: http://gatonegro.pinky.ne.jp/

paraさん、みなさんはじめまして。
「夜道」のキナコです。
初めて掲載していただいて緊張しています。ほかのみなさんの作品の感想も書きたいのですが、クリスマスのせいかなんだか細々したことで忙しく……。

paraさんはパラグアイにお住まいなのですね。
私はコロンビアに住んでいます。ちょっぴりご近所さんですね。
「夜道」の感想、ありがとうございました。
主人公像がもう少しはっきりした方がやっぱりよかったですね。せめて、性別とか年齢くらいは最初の方でわかった方がよかったかと思います。
これはホラーに入れていただいていますが(自分でそう言ったのですが)、書くときはちょっとSFっぽい感じを想定していたので、中途半端になってしまったかもしれません(時空のゆがみで無限ループのような状況を考えていました)。
実はこれはちょっと前に書いた物なので、次はちゃんと投稿作として意識したものを書きたいと思います。

paraさんの「アップルマンゴー」、拝読しました。
アップルマンゴーという果物はよくわからないのですが(テレレも言葉しか知らないのですが)、雰囲気的には「なんとなくわかるわかる」という感じで読み進んだので、日本の人が読まれるのとはちょっと印象が違ったかもしれません。
南米で多感な時期を過ごして日本で中学校というのはほんとに厳しいだろうなぁという気がします。
技術的には(なんていうとえらそうですが)、視点を完全に主人公の女の子に置かれた方が話としての迫力が出たのではないかと思います(一人称にするということではなく、三人称でも)。
彼女の心情が深く描かれている部分と、客観的な部分が交錯するので(教師の描写など)、やや視点が揺れるような感じがして薄味になってしまったのではないかと……。
メンテ
「アップルマンゴー」「夜道」の感想 ( No.8 )
日時: 2003/12/26 10:12
名前: かば  <kaba@jsdi.or.jp>
参照: http://www.jsdi.or.jp/~kaba/

こんにちは。

 paraさんの「アップルマンゴー」、サガミキナコさんの「夜道」を読ませていただきました。
 お二人とも海外から参加されていると知り、インターネットの強みなんだろうな、と思いました。

「アップルマンゴー」は特に前半で1つの文が長すぎるように感じられましたが、
主人公の祥子の気持ちの変化が良く伝わってきて読んでいて気持ちいい作品だったと思います。
 またこの作品のような帰国者が感じた日本の話を読んでみたいです。

「夜道」は読み終えた後、このもう1人の自分はどうして登場したのだろう、一体何なのだろう、
と疑問が残りました。
ホラーにはなっているのですが、もう少し長くして、主人公がどう理解したのか説明があると
良かったように思います。
 それから、「俺」という主語を省いた文章を面白いと思いました。私もたまにやることがありますが、
1人称代名詞の選択は結構頭を使うのですよね。
メンテ
Re: 全体の感想(2003.12月号) ( No.9 )
日時: 2003/12/28 17:20
名前: 赤川仁洋  <touzin@sannet.ne.jp>
参照: http://www.page.sannet.ne.jp/touzin/

今回は、次号まで間があるので、ついつい感想を書くのが遅くなってしまいました。
まったくの私見ですので、納得した部分だけ、参考にしていただけたら幸いです。
いつものように、作者名の敬称は省略させていただきます。

《名文美術館》

「娘と私」星野 礼司

文豪や流行作家が、こうした通俗的な“本音”を書くことは珍しいのではないでしょうか。だから、共感を覚えるのだと思います。読者の目を意識して、つい建前やきれい事を書いてしまうことがありますが、それだと何も残らない……。


《掌編小説》

「snow drop」ナイトクローラー

現実の社会では、この小説のように恋愛はなかなか思い通りには運ばないものでしょう。その点では共感を覚えるのですが、せめて創作の世界では、夢をみさせてほしかった……。あくまで現実を追求するのであれば、この掘り下げ方では物足りない。


「一緒に歩いた道」かば

情感溢れる作品ですが、全体的に圧縮した方が読後の余韻が強まったと思います。父親と娘との会話や触れあいも、いささかパターン的です。でも、最後のヒネリのきいた着地は、見事でしたね。


「夜道」サガミ キナコ

エンターテイメントの呼吸をしっかりと身につけている方だと思いました。書くべき所と、書かないで読者に想像させる部分との調和がうまくとれています。よくまとまった完成度の高い作品ですが、次作では、アイデア面での飛躍を期待。


《短編小説》

「隠された動機」蒼井 上鷹

前回に続いて、アウトロー弁護士の「出雲勝利シリーズ(?)」第二弾。この主人公はとても魅力がありますよね。わたしは、類型のキャラを思い浮かべることができませんでした。リアルな存在に仕上がっているので、あとは物語のリアリティが課題でしょうか。都合のいい、あるいは出来過ぎた話や設定が散見します。


「花唇」ますゐ 英人

力作ですね。作者の持っている描写力や叙情性を存分に発揮した作品です。とくに、主人公の加藤檜の存在感が抜群ですね。ただ、物語は古典的なパターンを踏襲している感じで、展開も描写にくらべてあっさりしています。読み物としての面白さが物足りない……。


「アップルマンゴー」para

清々しい作品ですね。読んでいて、エッセイかな、とも思いました。こうした先生がいれば、日本もまだまだ大丈夫。ただ、こうした明朗快活な物語を楽しめなくなっている自分にも気づいています。これは、わたしの感性が鈍磨したせいでしょうか。


《エッセイ》

「テーマは何ですか?」石井 久恵

テーマは、本当に妖怪ですね。同人誌の合評や編集者との会話で、テーマ云々が出てくるときは、大概が作品に否定的な意見のときです。要するに、つまらなかったということです。わたしがエンターテイメントを書き始めたのは、テーマ云々の論争にうんざりしたということも影響しています。おもしろい作品に、理屈は必要ないですからね。


「風邪と笑いとダウンタウン」条 文多

“笑い”の医学的な治癒効果は、臨床で実証されています。笑顔は、人間の免疫力をアップさせてくれます。でも、心から大笑いすることなんて、なかなかないですよね。この作品を読んでいて、久しぶりに寄席に行きたくなりました。しかし、今の芸人さんで、大笑いさせてくれる人、いるかな?


「世の中、カネ。」高瀬 年揮

「寅さん」のギネス記録を超える映画が作られていたなんて、驚きですね。「ほんま、立てば借金、座れば家賃、夜逃げするにも電車賃やで!」、このセリフが痛快です。「人間、立って半畳、寝て一畳、飯を食って二合半」という正反対のセリフを思い浮かべたのですが、何かの時代劇だったかな。物語の設定は、極端な方がおもしろい。
メンテ
Re: 全体の感想(2003.12月号) ( No.10 )
日時: 2003/12/27 10:36
名前: サガミキナコ  <gatonegro@pinky.ne.jp>
参照: http://gatonegro.pinky.ne.jp/

かばさん、こんにちは。キナコです。
「夜道」の感想、ありがとうございます。

やっぱりイメージ先行で、はしょりすぎた部分がありましたね。
なかなかそこの力加減が難しいです。書いていても、「読者が興味を覚えるのはどの部分か」というのがよくわからず(どうもよくはずすらしい)、まだまだ試行錯誤です。
一人称は難しいですよね。特に日本語の場合、どの一人称を使うかによって多くの情報が与えられてしまうので、私の場合、ショートショート系の話のときはくどいかと思って省略してしまうことがよくあります。
今回は男性であることを明らかにしていますが、性別を特定したくないときにも隠しますね。

かばさんの「一緒に歩いた道」、読ませていただきました。
オチを読んでから、また最初から読み直したくなりました(まだ読み直してないですけども……)。
ちょっと気になったのは、小学1年生にしては女の子の言葉遣いや内容が大人びているような気がするのですが……。最近の子だとこういう感じなのでしょうか。

赤川さん、感想ありがとうございます。
アイディアですね。精進します。
メンテ
「花唇」の感想・他 ( No.11 )
日時: 2003/12/30 11:30
名前: かば  <kaba@jsdi.or.jp>
参照: http://www.jsdi.or.jp/~kaba/

こんにちは。

 ますゐ 英人さんの「花唇」読ませていただきました。
 文学ですね。
 人間の生き方が重く、そして力強く描かれていてとても良かったと思います。
 ただ、最後で展開が少し走ってしまったのが残念に思いました。
 次はどんな作品を読ませていただけるのか楽しみです。

 それから、サガミキナコさん、「一緒に歩いた道」の感想をありがとうございます。

> 小学1年生にしては女の子の言葉遣いや内容が大人びているような気がするのですが……。

とありましたが、子供も子供なりに大人たちのことを見ているし、考えている、ということで、
ませた女の子となりました。
 私は実際にこういう子供を知りませんが、昔からいてもおかしくなかったし、
きっといたと思っています。
メンテ
かばさん ( No.12 )
日時: 2004/01/14 22:37
名前: ますゐ

遅れましたが
『花唇』の感想ありがとうございました。
さっと読めるものばかりが流行っていますが、
自分の頭で理解できるほどのものにどれほどの価値があるのかとも思います。
じつはあれはある古典を下敷きにしているのですが、
人間のわからなさというものに挑みたい気持ちであったのです。
自分でもわからないほどの迫力というものにあこがれますし、
よき読み手への欲求もあります。
メンテ
Re: 全体の感想(2003.12月号) ( No.13 )
日時: 2004/03/08 22:42
名前: ナイトクローラー  <kr_night@yahoo.co.jp>

そろそろ桜が空を賑わせる季節の香りが待ち遠しい今日この頃、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
既に3月ですが、12月号の感想を書かせていただきます(どんどん時流に乗り遅れていますが)。

「一緒に歩いた道」かば様
かばさんの作品にこの種のラストはあまり見られなかったので、完全に騙されました。くやしいなあ(笑)。
でも、警戒して読んでいてもやられてたでしょうね。
完成度の高い作品だと思います。

「夜道」サガミキナコ様
こんばんは。遅筆な感想書き・ナイトクローラーでございます。今さらな感想ですいません。
私はこの作品、おもしろいと思いました。
全然説明がないところが、想像力を刺激します。
後に引く作品です。

「隠された動機」蒼井上鷹様
二転三転どころか、四転五転するストーリーはお見事。
1回読んだだけでは分からないくらい複雑ですね(2回読みましたが、完全に理解できたかどうか自信がないです……

前回の一人称から、今回は三人称で出雲弁護士が描かれましたが、これはちょっとした冒険なのではないでしょうか。
前回は何から何まで謎だった出雲が、実は意外にかわいい一面があったりして、この試みはおもしろいと思います。

「花唇」ますゐ英人様
いや、やっぱりますゐさんはすごいです。
今作には儚げな美しさがあります。
すごい描写力だと思います。

でも、正直に書きます。
私の読解力では話がよく分かりませんでした……すいません
もっといろんなジャンルの本を読んで精進します。

「アップルマンゴー」para様
私、小学生の時(かなり前)に結構何度も転校した経験があります。
だからかもしれませんが、主人公には妙に感情移入できました。
表現的なことはppsさんに全部言われてしまったので(笑)、特にありませんが、私は好きです、この作品。
メンテ

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